2日目は旅のハイライト、蒅の切り返しを見学する為に、佐藤阿波藍製造所さんへ。
現場に到着するなり、強烈な蒅の発酵臭に包まれる。切り返しは9月頭から11月末にかけて20回の予定で行われます。
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第19代目の佐藤昭人さん、奥さまのみねこさん、お2人とも82歳で本当にお元気でいらっしゃいます。現場は息子さんの好昭さんが陣頭指揮をとり、6人で切り返しが進行していました。
発酵が進み蒅の温度65度の中、全員裸足で切り返しをしていく姿は、それだけで胸に迫って来るものがあります。
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昭人さんに手招きされ外に出てみたら、少し先に見える銀杏の木を差し、あの銀杏の葉っぱが佐藤家の蒅の温度計だと話される。葉っぱの色を見ながら、そろそろ蒅に布団(筵)を何枚かけるかを決めていかれるそうです。
その作業は昭人さんが小三の時に、お祖父さんから教えられ、それからずっと…実に73年続いているのです。
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そして蒅の布団は完全に乾燥させないといけない。佐藤阿波藍製造所では、自然乾燥させた筵で蒅を覆います。湿った筵をかけたら、蒅が風邪をひくと。乾いた筵も少し風邪気味なのがいると、口に日本酒を含み、ブーッと吹き掛けるとたちまち具合が良くなる、でも、職人さんにやらせると、吹き掛ける量より自分の喉に通す方が多なるんや、とユーモアたっぷりにご説明をして下さいました。
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蒅作りで1番大切なのは匂いだとも仰っておられ、蒅の深さは肘くらいまであるのですが、そこに手を突っ込み、粘土の床との接触面の蒅の匂いを嗅ぐと、蒅がどんな状態か?すぐに分かるそうです。
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切り返しが終わり、次の切り返しまで布団に覆われている蒅の真ん中には、ひっそりと藍の神様が日本酒と一緒に奉られていました。田中先生の工房の藍の神さまを思い出し、そっと手を合わせて参りました。
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*この蒅作りに関しては、内容も盛りだくさんの上、エピソードが沢山あるため、再度まとめてアップします。